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九州城館探訪記 〜6日目、長崎観光をせず岸岳城へ向かうの巻〜

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しっとりと濡れそぼった朝。

昨日の楽しい宴の余韻を引きずりながら、ホテルで洗濯を済ませて諫早城へ。市民の憩いの場として公園化されていて、城郭遺構らしきものは一部に土塁や堀を残すのみ。本丸のクスノキがやたらと立派。城が使われていた時を知る唯一の証人だ。

 

 

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ついでに眼鏡橋も。説明を読むと、移設して現在地にあるようだ。昨晩はライトアップされていて、ヨーロッパの街並みのようになっていた。

 

 

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ついでに諫早家墓所を拝見するために天祐寺へ。残念ながら墓所は垣根越しにしか見られなかったが、寺の境内の手入れが行き届いていて素晴らしかった。

 

 

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そのまま大村市に移動して玖島城をチェック。

ここは1599年に初代藩主大村喜前(よしあき)が築城し、270年以上大村氏の居城だった。想像以上に大きな城で、歩いて見るのも一苦労。大手門の石垣が大きく、見上げていると石垣の上に料亭が建っているじゃないか!本丸へは枡形が2つあって驚いたが、両方とも創建時からあったのだろうか。

 

 

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一通り見終えてさて次に行こうかと思ったその時、芦北のFKGWさんから「玖島城には御船蔵があるから忘れず見ておくように!」との指令が下ったので現地に向かう。御船蔵とは簡単にいうと船のドックだ。玖島城には新蔵波止(しんくらばと,船の荷下ろしをする場所)があったり、海に突き出た水城であることを今に伝える遺構がしっかり残っている。

 

 

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大村喜前が玖島城を築く前に居城としていた三城城(さんじょうじょう)にもお立ち寄り。テツローさんからのアドバイスをもとに訪れたが、普通に見て歩けた。本丸は忠魂慰霊塔があって改変を受けているが、その周囲は切岸、土塁、堀が良い状態で残っていた。竹やぶの整備をすれば、きれいに見れるようになるだろう。とにかく薮コギばかりしていたら、やたらと蚊に刺された。九州はまだ蚊がいるのだ。

 

 

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ここまで来たので大村市立史料館にも立ち寄っておく。ついでに調べ物があったので、図書館にもチェックイン。開館が10時って遅くない?諫早の資料館もそうだったし、長崎では当たり前なのかしら。

 

 

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長崎には中近世城館がもちろんあるが、大分や熊本ほどに大粒の城は少ない。やはり原城と日野江城を攻めなかったのは痛かったが、そのほかは平戸や対馬や壱岐などにあるので、さすがに今回は行けない。その前に、実は今日は長崎観光をする予定だった。有名なグラバー亭とか行ったことないので、思いっきり観光に徹する予定だったが、ここまで5日間お城漬けだったので今日もその流れに。

 

で、長崎を出て佐賀に向かうことに。

まずは下調べのために話題の武雄市図書館に。あくまで調べるためですよ、ミーハーな訳じゃありません(笑)まあとにかく凄い図書館だった。館内はオシャレな空間で、軽いBGMが流れ、オシャレな人たちがたくさん。スタバまである。田舎者としては一瞬ひるみそうになるが、何食わぬ顔で利用して見た。むちゃくちゃ快適。空間もそうだが、スタッフの応対が素晴らしい。総合案内、レファレンス窓口、複写担当と3人のスタッフさんと接したが、笑顔で丁寧に対応してくださった。まるで高級旅館のようなホスピタリティ。このような図書館があるのか。未来の図書館のように感じた。ネットでは良からぬ情報もあるが、一利用者としては快適そのものだった。何よりいろんな年齢層の方がいることが正常だと思った。地方の図書館だとどうしても年齢層に偏りが出るから。

https://www.epochal.city.takeo.lg.jp/winj/opac/top.do

 

 

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近くの須古城を攻める。

平地にポツンとある独立丘陵の上にあるこじんまりとした城。テツローさんが「諫早城と似たタイプの城よ」と言っていたのだが、まさしく同じ。こちらは諫早ほど改変を受けていないが、それでも本丸は削平されていた。本丸に「弾よけ岩」なる岩塊があったが、これはなんだろう。古墳の石室?いや違うかな。

 

 

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続いて武雄市の住吉城へ。ここは本当に、この旅でマイベストに挙げてもいいほど感動した。館城というタイプの、決して大きくはない城なのだが(と言いながら主郭は十分に広い)遺構の残り具合が素晴らしいのだ。しかも余計な看板類や構築物はほとんどなく、植林も少ない。地表観察するには持ってこいだ。

 

 

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館城なので基本的には単郭。説明板にもそう表現してあるが、実は「蟹」のように主郭から2本の櫓台的な曲輪が突き出していて、その曲輪が敵を挟み込む形になっている。平城のようであり、しっかりと山城の要素もある。周囲をめぐる堀も素晴らしく良い。じっくりと歩いていたら思いのほか時間を食ってしまった。

 

 

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家族と伊万里焼を買う約束をしたので、大川内山へ。ここは窯が密集していて、販売もしている。途中、窯業を奨励した加藤清正公を祀るお宮さんを参拝しつつ、どれを買おうか見て歩くも悩んでなかなか決まらない。結局、ほとんどのお店をのぞいて、やっとこさご購入。あー疲れた。

 

 

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お口直しに伊万里城を見て、その足で歴史資料館に行ったがあいにく休館だった。残念。

 

 

 

 

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本日のメインイベント、岸岳城へ。

高崎山と違ってかなり上まで車で行けるのだが、それでも結構歩いた。麓との比高差はどれほどあるのだろう。北陸ではこういう城は無いんじゃなかろうか。汗ダクになって三の堀切、三の丸、ニの堀切、本丸と進むのだが、まあ遠い遠い。行けども行けども、たどり着かない。城が尾根筋にあるので、曲輪の広さはさほどでも無いが、とにかく長い。縄張りは至って単純。二の堀切には織豊系の石垣があった。

 

 

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気がつけば日が暮れそうな気配。そう思ったところで、不穏な空気というかただならぬ空気を感じたので、本丸でお湯を沸かしてコーヒーを飲む予定だったが取止めてソソクサと下山。というより修験者ばりに駆け下りるようにして下山した。おかしいなと思って後で検索をしたら、うーん、そういうスポットだったのね。確かFKGWさんが言ってたような...。でも知ってたら行ってなかったかも知れないし、結果オーライってことで(笑)
 
 
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日没間際に本日の終着点である唐津城にたどり着けた。

 

 

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石垣の修復工事中で、発掘調査の真っ最中。今日の作業は終わっていたけど。

 

とうとう唐津湾までやってきた。

さて、明日に備えて今日は早めに休もうかな。


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