小松市の「古代体験夏まつり」に行ってきた。
埋文センターをオープンしてから方々から小松市の取り組みを聞いていたので
どうしてもこの目で確かめてみたくなり、実際に足を運んだ。
すべての体験を見て、職員さんからいろいろ聞いて、子どもたちの様子を見て思うのは
「埋文の保存活用が行き着く先はこのような形なのだなあ」ということ。
小松市は保存活用のトップランナーであることは間違いないが、
肩肘を張ることなく、でもチャレンジもし続けていて、顧客満足度を高めることに
徹するというプロ意識に感銘を受けた。
マネしたい、でも一朝一夕で成し得るレベルではないことは確かだ。
印象的だったのはセンターの職員さんが皆さん一生懸命だったこと。
若い人から所長さんまでが子どもの目線で、手を抜くことなく向き合っていた。
これは本当に素晴らしい。組織とは、チームとはかくあるべきだ。
さて、各体験を写真アルバム風に振り返ってみたい。
刈安染め。
今年の新メニューだそうで、子どもたちが殺到していた。
前日に職員さんが抽出液を作っておき、子どもたちは絞り(ハンカチを紐でしばる)と
染色作業を行う。できあがりが上の写真。揉み方によって色の濃さが違ってくる。
ハンカチは乾かして持って帰れる。刈安染めなる体験は初めて見た。
組みひも。
おなじみの体験メニューだが、小松の場合は組みひもの歴史や構造をしっかりと
説明書きしてあった。ループ操作技法、蛇腹組、角組、重打(しげうち)、みなさんご存じ?
火起こし。
ここにも独自の工夫があった。
富山県埋文センターなどでは火種に綿をかぶせて、オガクズをかけて火をつける。
ここの場合は小型の縄文土器の中に火種を入れて、そこにゼンマイの綿を入れて
火をつける。たしかにオガクズは鋸が導入される前はなかったはずで、納得。
弓矢体験。
小さい子でもビュンビュンと矢を飛ばしていた。
鋳造体験。
金属を溶かして鋳型に入れて、和同開珎を作る。これは体験セットだそうだが、
このメニューは大人数がこなせないので、抽選制。当たりくじと指定時間が書かれた
紙を、午前・午後のはじめに抽選してもらう仕組みだ。
勾玉づくり。
これは長い年月をかけて試行錯誤して現在の形に行き着いた、という感あり。
弓も錐も当て具もオリジナル。原石には厚いのと薄いのがあり、体験の時間や
対象年齢によって使い分けているという。砂がしょうゆさしに入れる工夫も。
椿餅の試食。
甘葛を甘味料として作られた餅。比較するために砂糖を使用したものも。
食べさせてもらったが、ほんのりと甘く、古代の風味が感じられた。
かごづくり。
ここは人気があるようで、終始子どもたちでいっぱいだった。
材料のクラフト用の紐?の色のチョイスが秀逸だと思った。
瓦スタンプ体験。
古代の瓦型スタンプを押す体験で、未就学児限定。
就学児はクイズラリーを全問正解すると先着順でこのスタンプ瓦がプレゼントされる。
このスタンプ瓦は石鹸になるという。
とまあ、書き切れないくらい盛りだくさんの内容だが、
人数を限定しているからか、参加者が溢れて混雑することもなく、
職員さんが四苦八苦することもなく、双方ともストレスなくイベントは進行していた。
これは人数を多寡に重きを置くのではなく、参加者の満足度やメニューの質を
確保するための工夫に他ならない。たしかにこのやり方は有効だ。
いろいろと、本当に情報の洪水で溺れそうになるくらいたくさん教えていただき、
帰りの車の中は次回のオープンデーのことで頭がグルグルとまわっていた。
それにしても、実際に行ってよかった。お忙しい中、対応していただいたSMHMさんはじめ
職員のみなさん、ありがとうございました。お世話になりました。
さいごに、ジャスミンさんがフツーにキレイな大人の女性に変身していて驚いたなあ
