東京の上野公園界隈の博物館を巡りたいのだが アテンドをしてもらえないか、という。 0.5秒だけためらったが引き受けることにした。 頼まれごとは試されごと、だからだ。 今回は北陸コカコーラの社長様御一行を案内する。 そんな日に何を思ったか朝練に参加して 一瞬だけ追い込んで、電車の中で休む作戦に。 6:43に城端線で新高岡駅まで行き、 7:28の北陸新幹線かがやきに乗車。 9:56に上野駅に到着。 ( アンドーナツとオールド というと勇まし過ぎるので、レッツパーリー的なノリで 公園口の改札を出た。 大丈夫。2週間前に下見はバッチリしてるし、 事前調査もできる限りはしておいた。 そしてひとつ、新しいアイテムを仕込んでおいた。 その名も「博物館を楽しむためのガイド」。 ただ博物館を漫然と見るだけではつまらないので、 展示品を見るためのポイントを紹介したり、 展覧会ごとに課題を書いておき、飽きさせない工夫をしてみた。 これは結構喜んでもらえたように思う。 しかも胸ポケットに入るサイズだ。 いざ東京都美術館の「大英博物館展」へ!! ここでのお題は3つ。そのうちのひとつは、 <未来に残したい展示品を3つ考えましょう。> 皆さん音声ガイドを借りて観覧スタート。 さすがにすべてを案内できないので 所々で自分が立っていて、音声ガイドにはない 解説をする、という形式をとった。 平日の昼間だというのに展示室は多くの人で溢れていた。 調子良く解説をしていたら、皆さん関心をもって聞いてくれる。 お、これは手応えあるぞ!と思ってたら 「お静かにお願いします!」と注意を受けてしまった。 都市の誕生のところで解説をしていたら うちのグループではない人からどんどんと質問が出て いつの間にか何十人に囲まれてしまって 即席解説会のように。で、うちのグループの人が いなくなってからも、皆さんが聞きたがるので ついつい話しすぎてしまった。 ミトラスの神像のところで解説をしていたら ものすごく注目を集めてしまって 引くに引けなくなってしまい、結局そこそこ話をしたら 最後に聴衆の方々から感謝の言葉が。 で、また唐三彩で話してたらまた注意を受けて さすがに凹んでしまい、あとはオトナシクしていた。 2時間ほど観覧時間を設けたが 課題を与えたおかげで集中して見てくださったようだ。 お昼は上野駅近くで軽くお蕎麦をつまんだ。 泣く子も黙る東京国立博物館の「鳥獣戯画展」!!! ここでも皆さんに課題を3つ。 そのうちのひとつは <鳥獣戯画(甲巻)で擬人化されてない動物を3つ探しましょう。> とりあえず2時間フリーに。 特別展を見るもよし、常設展に行くもよし 各自思いのままに広大な博物館に放した。 自分は鳥獣戯画展をザッと見て、 といっても甲巻だけは160分待ちだったのでパス。 他もサッと見て回って、博物館を出た。 待ち合わせまで1時間くらいある。 で、行ってきましたよ。上野動物園へ。 といっても動物はひとつも見てません。 時間がないのでハシビロコウにも会えず。。。 上野公園にはもともと藤堂高虎の屋敷があった。 高虎といえば築城の名手で、天海僧正ともに家康の信頼が篤かった。 伊勢安濃津と伊賀上野を治めたことから 伊賀上野にちなんで上野と名付けられたとする説も。 高虎は家康の死後、屋敷内に東照宮を建立した。 寛永2年(1625)、 上野に寛永寺を建 江戸時代、今の上野公園には寛永寺の大伽藍が広がっていたが 幕末の慶応4年(1868)に官軍と幕府軍(彰義隊)の戦争で 焼け野原になり、その後に万国博覧会を契機に博物館が建設され、 公園化したという経緯がある。 藤堂家の墓所は動物園のマップにさえ表示されておらず、 総合案内に聞いても「塀があるので見れません」と ケンモホロロな対応だったが、実際に現地に赴くと バッチリ見えましたよ。 巨大な宝篋印塔の列が!!ものすごい迫力と存在感だ。 そして動物園を出て上野東照宮へ。 まずは佐久間勝之が寄進したお化け灯籠を。 これはぜひチェックしておかないとね。 京都の南禅寺、名古屋の熱田神宮と並び 日本三大灯籠に数えられるそうだ。 上野公園は平日だというのに多くの人が歩いていたが 豪華絢爛な本殿は自分以外は1人しかいなかった。 超穴場スポットだ。 15時に一旦博物館に戻って合流して みんなでカキ氷を。自分はスイカ味を。 16時からミニシアターで「よみがえる江戸城」を鑑賞して、 17時前に一度フリーに。ここで雨がポツポツ。 清水観音堂、摺鉢山古墳、彰義隊墓所、 御徒町のぽん多本家へチェックイン。 赤貝、アワビのバター醤油炒め、低温で揚げたトンカツ、 何より嬉しかったのは、呑みながらも 文化の香る話ばかりだったこと。 皆さんに課題を出したので、「博物館を楽しむためのガイド」を手に ひとりずつ気になった展示品を発表したり、東博で撮ったスマホの写真を見せ合ったり。 博物館の楽しみ方を、ふだん博物館に馴染みのない人たちと 共有できたようで嬉しかった。 楽しい宴も終わって、御徒町駅から山の手線で上野駅に移動し、 20:02の北陸新幹線で一路富山へ。 初めての東京アテンドだったけど 皆さんに喜んでもらえたようで良かった良かった。 あとは新幹線でゆっくりしようとシートに座ったら 社長さんから一言。 「ねえ野原くん、高山寺の中興の祖の明恵上人は なぜ春日明神と住吉明神を崇敬してたの? 展示を見てて、どうもそこが引っかかってね。」 スーッと一瞬で血の気が引いてしまったのは言うまでもない。 しかし、社長さんは博学で何事にも視点が鋭い。 グローバルとローカルと両方の視点を合わせ持っておられた。 博物館や美術館巡りもご趣味だそうで、こちらが教えてもらうことも多かった。 もし機会があればまたアテンドさせてもらいたいと思う。 お世話になったみなさん、ありがとうございました。 ※ちなみに、明恵上人が春日明神の託宣を受けて、 |