2日目。
名古屋名物のモーニングで朝食をとったあと、会場へ。
昨日よりもお客さんが減っていたが(7割ほど?)、
城郭研究で有名なNKI先生などが来ておられてご挨拶。
数ある発表の中で、トップバッターの新谷和之氏の発表
「近江における守護所・戦国城下町の展開-観音寺を中心に-」が
群を抜いて良かった。
内容がとても理路整然としていて弁舌さわやか。
とても聞きやすいし、プレゼンもわかりやすい。
そして何よりこれまで一定の評価を得ているであろう先学の成果に
果敢にもあえて批判的な見方で再評価する姿勢が素晴らしかった。
年代も自分と同じくらい。なんて優秀なのだろう。
その後、因幡国守護所である天神山城、豊後の大友氏関連、
肥前守護所と九州探題在所の綾部、常陸小田城跡、上野箕輪城、
そして仁木先生の総論を聞いた。討論が残っていたが、この時点で
すでに14時だったのでお先に失礼させてもらった。
が、あとで小浜のSMNKさんに教えてもらったのだが
討論でステージ上の仁木先生から「野原さん、いらっしゃいますか?」と
会場に向けて呼びかけられていたそうだ。
アチャー!

せっかくのPRチャンスを自ら逸してしまった。
しかし、久しぶりにこれだけのしっかりしたシンポジウムに
参加して思った事がある。
ひとつのテーマ(今回なら城下町)をもとに全国各地の事例をもとに
発表したり、資料集を作ったりするのはものすごく意義のあることだ。
これからも機会があれば参加したいし、資料も作りたい。
自分のように自治体にいるとどうしてもアカデミックな世界と縁遠くなってしまうが
調査成果を検討するにあたっては最新の研究に触れておかなくてはいけない。
そして何より参加することでモチベーションにつながる。
ああ、みんな頑張っているんだなあと。
それと、もったいないなあとも思った。
紙上報告の中に何本も優れた論考が掲載されていたからだ。
たとえばメイン会場とサブ会場にわけて、サブ会場では紙上報告分を発表するなどして
参加者がどちらか選択できるようにすれば、参加者にも喜ばれるだろうし、
紙上報告の執筆者も救われると思うがいかがか。
これだけの資料集を2日間(実質1.5日)で消化するのにはちょっとムリがある。
ま、それだけ内容の濃いシンポジウムと資料集だったってことだ。
そんなこんなで、帰り道に寄り道を少し。
まずは尾張守護所があった下津(おりづ)へ。
下津小学校の向かいに石碑があったのでそこでパチリ。
周辺に土塁の痕跡があるとのことだったが、見つけることが出来なかった。
そして、昨日の発表でどうしても行きたくなってしまった小牧山城へ。
旧市役所横の大手道から上り、縄張り図を見ながら途中の曲輪や空堀を確認しつつ
頂上にある歴史館に辿り着いた。麓からは大きな道が作られているので、
縄張りは相当破壊されているかと思ったが、案外その他の部分は
旧状を留めているようだった。
蒸し暑かったので汗だくになって歴史館に着くと
夏休みだからか、親子連れが何組も来ていた。
そこで小牧長久手の戦いについて勉強させてもらったが、
信長築城に関する展示は少なかった。
せっかくの大きなエポックなのにもったいないなあ。
と、2日間愛知でどっぷりとアカデミックな空間に身を浸して、
最後には2カ所の城跡を訪れることが出来て良かった。
心残りはやっぱり仁木先生からの呼びかけに応答できなかったこと。
ああ、失敗したなあ~
