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Channel: 学芸員の小部屋
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兵庫と大阪のミュージアムをめぐる旅 〜自然系に目覚めるの巻〜

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昨日の余韻が残る朝。
眠い目をこすって名刺整理やブログの記事のアップなど。
篠山市の山城をいくつか攻めようと思ったが、雨のため断念。

で、史跡巡りをやめて昨日の懇親会で話題にでたミュージアムをめぐることに。
きっとなにか得るものがあるはずだ。

まず最初に向かったのは兵庫県立人と自然の博物館
略して「ひとはく」!


化石や昆虫標本などガッチリとした展示が。

開館してかなり年数の経った建物のようだったが
随所に工夫が凝らされていた。とくに目を引いたのが職員さんの手作りの
ものや来館者の協力で作られたパネルなど。

博物館と来館者が対話しているのがよくわかった。
そしてワークショップや催し物のソフト面での告知がすごく多くて驚いた。

ハードは立派だが、そこにあぐらをかかずにソフトも重視。
なんてステキなバランスなんだろう。


とくにおもしろかったのが「魅せる収蔵庫トライアル」。

標本を収蔵しながら、展示として活かす。
今はやりの収蔵展示ってやつだが、まずは展示自体のレイアウトが美しい。
しかも、地元高校の生物部の生徒が展示に関わっている抜かり無さ。

そして、気付いたのはあちこちで職員さんの顔が見える事。

とくに「ひとはくの一日」という2分のムービーは
博物館の一日の動きを早回しでまとめたもので、思わず見入ってしまった。
職員の顔が見えたら親近感が沸くと思う。これは良いスタンスだと思う。



つぎに、本日のメインイベントである伊丹市昆虫館へ。
が、到着すると本日休館の文字が! ガーン!!

しぶしぶUターンして大阪に向かったが、途中でどうしても諦めきれず
昨日の懇親会でお会いした副館長さんに連絡すると、たまたま職員さんが
勤務しておられて無事に見せてもらえることに。ありがたや~。

しかも職員のNMTさんは昨日の懇親会でお話しした方だったのでさらにラッキー。
図々しくも展示室からバックヤードまで見せてもらった。


館を見せてもらって思ったのは、
なんで今まで昆虫の博物館に足を運ばなかったのかという後悔の念。
というのは歴史系の博物館とちがって、生きているものに触れられる。
昆虫館では日々生命が生まれそこで生きるナマの虫たちに
じかに接する事ができる。おもしろくない訳がない。

写真はナナフシを手から手へ、移動させるNMTさん。
まるでナナフシ使いのようだ(笑)

感じたのは職員さん達が本当に虫を愛していること。
だから、企画展示も学芸員の想いが溢れているし、
なによりも職員さん達の目がキラキラと輝いていること。

しかもこの昆虫館。伊丹のまちづくりにも大きく関わっているそうで。
昆虫をどうやってまちづくりに?その疑問はいずれ自分の目で確かめに来よう。

さてさてNMTさんに見送られて館をあとにしたが、
駐車場までの小径にでると、そこかしこに虫がウゴメイているような気がして
虫を探してみたい衝動にかられた。

不思議なもんだね、来るときは何も思わなかったのに。
ああ、あの虫かごを買っておけば良かったかな(笑)



やってきました大阪大学総合学術博物館

大阪まで来たので、やっぱ行っておかないとってことで。
そう、野中古墳と「倭の五王」の時代展だ。

展示の内容は兵庫県上郡町のSくんのブログに詳しいので割愛
Sくんの変幻自在の文章力が炸裂してるのでぜひご覧あれ。



個人的には“阪大の宝”といわれるマチカネワニ化石が気になったり。

50万年前に生きていた温帯性のワニ(雄)だそうで
実物
化石を見ると生前に顎が折れ、足を骨折した姿がなんとも痛々しく‥。
生前に三度の大ゲンカをしたそうな。


それと、大事なことがひとつ。
マチカネワニは中国で甲骨
文字が発明された時期に唯一生き残っていたワニで、
「龍
」の文字の起源と考えて間違いないそうで。

ふーん、知ればおもしろいもんだなあ




本日のシメは高槻の今城塚古墳と古代歴史館
2011年に開館してから、ずっと気になっていた。

今城塚古墳は継体天皇の真の陵墓といわれる巨大な古墳。
6世紀前半に築かれた、淀川流域最大の前方後円墳だそう。
なんといっても直接立ち入ることができるのが魅力。
実際に登ってみたけど本当信じられないくらい。

しかし、史跡整備は壮大なもの。
10年の発掘調査に7年の整備工事、広さは9ha・・・
いったい総事業費はいくらかかったのか想像もつかないが
これだけ大規模なハード整備は、近年では珍しいのでは。

とにかく形象埴輪群は壮観でした。
と、最後にふさわしいものを目に焼き付け、砺波への帰路についた。

あー、お腹いっぱいだ



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