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Channel: 学芸員の小部屋
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津沢から移築した旧藩倉が鷹栖に!

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昨日たまたま連絡を受けて、鷹栖にある古い倉を調査。

この倉はタカノス建工の真ん前にある倉で、
もともと津沢町にあったものを移築したという。
しかもこの倉、加賀藩の米蔵=「御蔵(おくら)」だったもので
おそらく江戸時代の建造物なのである。

移築の経緯。

明治34年(1901)、鷹栖の大地主達が小作収納所として津沢町の藩倉を購入して移築。その後、明治37年(1904)に共同組合法発布され、鷹栖の産業組合を設立。同時に米穀検査制度が実施されたことに伴って、農業組合が津沢町の藩倉を購入して移築した。

これらの経緯は鷹栖村史や砺波市史集落編にしっかりと載っていた。
たしかに津沢には御蔵跡があるが、まさか砺波市内にその倉が残っているとは思わなかった。前に自転車で通り過ぎたとき、その威容にただならぬ雰囲気は感じたが・・・。



 

建物はずいぶん荒れていて、こまい竹がむき出しの壁などは痛々しいが、
よく見るとまだ躯体はしっかりしている。

とくに見るべきところは、瓦。

萬福寺山門と同じように、赤色を帯びた古い瓦だ。

この倉は、加賀藩の御蔵制度を伝える貴重な建物。
このまま朽ちていくのを見るのはなんとも忍びない。


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