富山考古学会の例会があったので参加してきた。
というか、自分は例会委員のひとりなので本日は司会をやらせてもらった。
発表は2本。
青山晃氏の「富山県の装飾器台」と
町田賢一氏の「小竹貝塚のこれから」
青山氏の発表は装飾器台入門者にも優しい切り口でわかりやすかったが、全般的に楠正勝氏が2003年に発表した論文に依拠する所が多かった。装飾器台は多量に出土する弥生土器の中でかなりの希少種。絶対的に数が少ないので、分類まではいいが、伝播や出現背景の話になると途端に説得力に欠いた。せっかく県埋文センターの展示室に蔵野町東遺跡の装飾器台があるのだから、現物で説明するべきだったと思う。
町田氏はあいかわらずの町田節。この人はものすごい遺跡のことを飄々と言うので、思わず聞き流しそうになるけど、滋賀の鈴木さんが言うようにこのボリュームをいとも容易く説明できるのは町田さんだからこその芸当。いやしかし、小竹貝塚って宝箱だね。この遺跡だけで立派な博物館が建ってしまいそう。聞くたびにそう思う。町田氏には報告書が刊行されたら、今回消化不良だった部分を洗いざらい述べてもらいたいと思う。
小竹貝塚の吸引力のせいか、県外からの参加者も数名いて計30名超の盛況ぶり。
今後もこの調子で実のある例会を続けていければと思う。